こんにちは!さえです。
すっかり暖かくなってきましたね。
もうすぐ桜の季節。ということは写真の季節。
今回は一眼カメラならではのボケ感のある写真を撮るための基礎知識、「F値」について解説します。
実際の作例を元に、写真初心者さんにもわかりやすく説明していきます。
一眼カメラを始めてみたい人、買ったけど設定オートでしか使えてない人、必見です!
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F値とは?
F値とは絞り値とも呼ばれていて、絞りの開き具合によって光を取り込む穴の大きさを数値化したものになります。
文字で見ても何のこと?となるので実物で確認しましょう。
こちらはフィルムカメラのレンズ部分の写真です。レンズの真ん中、羽のようなものが重なっていることがわかるかと思います。
カメラのF値の設定を変えてみると以下のように穴の大きさが変化します。
光を取り込む穴の大きさが変わります。F値を小さくすると穴が大きくなるため光を取り込みやすくなり、明るい写真が撮れるようになります。
最小のF値はレンズによって異なっており、性能の良いレンズほど最小F値が小さくなっています。
レンズのカタログなどをみると必ずF値の記載があるので、購入する際はチェックするようにしましょう。ズームレンズは焦点距離によって最小F値が異なるものもあるので、「F4.5-5.6」のように範囲が記載してあったりします。
レンズについてはこちらの記事でも触れているのでご参考までに。
カメラの設定
基本知識が分かったところで、実際に設定してみます。
カメラの明るさ(露出と言います)の設定は、F値とシャッタースピード、ISO感度の3つで調節をします。
一眼カメラには設定の方法がいろいろあり、撮りたい写真のイメージによって切り替えると便利です。
F値 | シャッタースピード | |
P(プログラムAE) | 自動 | 自動 |
Tv(シャッター優先AE) | 自動 | 設定必要 |
Av(絞り優先AE) | 設定必要 | 自動 |
M(マニュアル露出) | 設定必要 | 設定必要 |
オートモードは露出調整のポイント3つを自動で調整、マニュアルモードは全て自分で調整をします。
今回はF値を自分で設定したいので、Avモードで撮影していきます。
カメラの機種によって若干モードの名称が違う場合があります!
慣れてくるとMしか使わないです。
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実際に撮ってみよう!
それでは実際にAvモードでF値を変えて撮影してみましょう。
Avモードでは前述の通り、F値を設定することでシャッタースピードの調整はカメラが自動で行い、露出に合わせてくれます。
今回は少し明るめの露出+1をカメラに指示して撮影してみます。
F2.5で撮影した場合↓
F8で撮影した場合↓
比較してみるとこんな感じ
ピントはどちらも手前のアーモンドに合わせていますが、F値が小さい方がピント以外の箇所がボケているのが見てとれます。
同じ構図、同じものを撮ってもボケ感でイメージがガラッと変わるね!
背景がボケる原理
なぜ穴の大きさを大きくするとボケるようになるのでしょうか。
それはズバリ、被写界深度が浅くなるからです。
被写界深度は今回説明した絞り値だけでなく、被写体とカメラの距離やレンズの焦点距離によっても変化します。
ややこしくなるのでここでは結論だけ。
被写界深度が浅い(ボケ感が強い) | 被写界深度が深い(ボケ感が弱い) | |
①焦点距離 | 望遠 | 広角 |
②被写体との距離 | 近い | 遠い |
③F値 | 数値が小さい(開放) | 数値が大きい |
つまり、すっごくぼかして撮りたいという時は①望遠のレンズで②出来るだけ被写体に近づいて③F値開放で撮影するといい!ということです。
超望遠レンズのF値開放で撮影した写真。手前も背景もきれいにぼけています♪
F値は上げてもF10ぐらいまで
写真全体にピントが合っているように被写界深度を深くすることを「パンフォーカス」と言います。
写真全体をパキッと見せたい場合に使い、山岳写真や風景写真はパンフォーカスで撮ることが多いです。
パンフォーカスにするためには先ほどの逆で、①広角のレンズで②被写体から離れて③F値を上げて撮影することになります。
じゃあF値を最大の22まで上げて、、
ちょっと待って! F値は上げすぎ注意だよ!
光を通す穴を極限まで狭くしてしまうと、回折現象という画質の低下が見られます。
そのためF値は上げても10ぐらいまでに留めておくことをおすすめします。
でも明るい場所でシャッタースピードを落としたいときは仕方ないよね?
とりあえずはそれで良いけど、レンズにNDフィルターをつけて光を遮る手もあるよ!
フィルターにも種類がたくさんあって使う場面も様々。また後日解説予定です。
作例
F値のイメージを掴んでいただくために各F値で撮影した写真をご紹介します。
絞り開放
旅行の際にお料理を撮影したもの。被写体にぐっと近づいて撮影しているので、綺麗に背景がボケてくれました。
ポートレート写真は背景のボケ感を出したいため、明るい望遠レンズが多く用いられます。
風景写真でも、あえてぼかして主題を強調させるときもあります。
F値絞り込み
広角レンズで、パンフォーカスで撮影しています。風景写真の王道。
ポートレートでも、背景の山をはっきり映したかったので絞って撮影しています。
夕日をバックにセルフポートレートした写真。太陽の光線を表現するためにF値を上げて暗めに撮影しています。
撮りたい写真の出来上がりをイメージして、たくさん設定を試してみましょう♪
Q. Avモードで手ブレしてしまうときは?
AvモードはF値が優先されるため、F値を上げるとシャッタースピードが遅くなりすぎて手ブレしてしまう場合があります。
その時はISO感度を少しだけ上げて、明るくしてあげましょう。
ISO感度は上げすぎるとノイズが入ってしまうので、こちらもやりすぎは注意です。
画質を落とさずに遅いシャッタースピードで撮影するには三脚が必須になってくるよ。
次から次へと欲しいものが増えるね、、。
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まとめ
今回の内容をまとめます。
- F値とはレンズの絞り調節によって光が入る穴の大きさを数値化したもの
- F値は数字が小さいほど明るくなり、ボケ感が強くなる
- F値の最小値はレンズのスペックによって変わる
- ボケ感を出したくない風景写真を撮る時も、F値は最大でも〜10ぐらいまでに留める
以上参考になりますと嬉しいです!
一眼カメラは最初分かりづらいですが、コツを掴むとどんどん思い通りの写真が撮れるようになります。
オートモードを卒業して、自分でカメラを設定していくとまたさらに写真の魅力に気付けると思います。
iPhoneのカメラをよく使う方は、こちらの記事でテクニックを紹介しているのでぜひ。
みなさんも素敵なカメラライフをお過ごしください♪
最後までお読みいただきありがとうございました!
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